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静電気と犬 ~「パチッ!」とくる愛犬の静電気を解決しよう~
冬に愛犬を触ると「バチッ!」と静電気を感じることはありませんか?
リードをつけようとした時や、頭をなでようとした時などにバチッ!と来たり、ブラッシングで被毛が逆立ってしまったりと、静電気に悩まされることが増えてきます。そもそも犬にとって、静電気はどのような影響があるのでしょう?静電気のメカニズムや犬への影響、静電気をふせぐ方法や冬のブラッシング方法などをご紹介します。
そもそも静電気ってどうして起こるの?
静電気は摩擦によって発生します。人や犬などが動くことで、さまざまな物体同士で摩擦が発生しています。すべての物質内はプラスとマイナスの2種類の電気をもっていて、通常ならば、物質内で帯電している静電気は、発汗や空気中の湿気などによって日常的に放電されています。
ところが乾燥していると、帯電した静電気が放電されずに物質内にとどまってしまい、その状態で物体同士の接触(摩擦)によってプラスとマイナスのバランスが崩れ、一気に流れて起きるのがあのパチッ!という静電気なのです。静電気がおきやすくなる環境条件は、湿度20%以下・気温25度以下といわれています。つまり気温が低く乾燥している冬は、静電気が最もおきやすい季節なのです。
犬は静電気がおきやすい?
犬は体中が被毛におおわれているため、帯電を起こしやすく、絨毯やカーペットに体をこすりつけるなどが原因となり静電気が発生します。とくにロングコートの犬は短毛の犬よりも静電気がおきやすい為注意してケアが必要となってきます。
静電気がおきると犬はどうなるの?
静電気は毛玉の原因に
静電気がおきることにより被毛がもつれたり、ふわっと広がってしまった被毛にホコリやチリが絡まり、結果的に毛玉になってしまいます。
足元がまっくろに!
肉球が乾燥していると静電気が起きやすくなり、地面のホコリや砂などを集めてしまい、お部屋のなかで過ごしていても足裏が真っ黒になることがあります。また、お散歩時も秋から冬の落ち葉などがつきやすくなります。特にシーズーのように足の被毛が長いタイプの犬や、ミニチュアダックスフンド のようにお腹が地面に近い犬は要注意です。ゴミが絡まってとれなくなったり、それが原因で被毛が絡んでしまったりすることも。
パチッ!とした痛みから不安になる犬もいる
静電気を気にする犬も、まったく気にしない犬もいます。静電気が怖くて特定の服を着なくなってしまった犬もいれば、静電気が好きでパチパチしているのを楽しむ犬など様々です。しかし静電気が苦手な犬にとっては、小さな痛みも大きなストレスです。飼い主さんは静電気だとわかっている痛みも、犬にとっては突然なにが起きたかわかりません。飼い主さんに痛いことをされたと思ってしまう可能性もあります。
愛犬のための静電気対策とは
適切な湿度を保つ
加湿器などを利用して、静電気がおきやすいといわれる湿度約20%よりも高めの湿度を保ちましょう。最適な湿度は犬種にもよりますが、40~60%程度が理想です。
服やマットなどの素材をチェックする
冬の洋服はできるだけ天然繊維のものに変更すると、静電気が起きにくくなります。
またベッドマットなどは静電気のおきやすいポリエステルやナイロンなどの化学繊維をさけ、ウールや綿のような天然繊維を使用すると静電気防止に効果的です。
愛犬にさわる前に飼い主さんも気をつける
手の乾燥も静電気の原因になります。ハンドクリームなどでしっかり保湿して、静電気を防ぎましょう。また、シンプルですが効果のある方法は、別の場所をさわって放電してから犬にふれる方法です。木の家具や壁などなら、パチっとならないので飼い主さんも安心です。
ブラッシング時にブラッシングスプレーを使用する
乾燥時期の被毛は静電気で室内でも屋外でもホコリやゴミを集めやすくなっている状態です。この季節はいつも以上にこまめなブラッシングが必要となってきます。ですが、ブラシと被毛が接触することで摩擦を生み、さらに冬で乾燥している状態だからこそ静電気リスクが発生します。また、ブラッシングをしすぎると髪の表面の油分が摩擦によって消失し、乾燥します。特に冬場は乾燥しやすい季節なので、軽くブラッシングをしただけでも髪の毛が乾燥しやすく、静電気の原因となってしまうのです。
愛犬のブラッシング時には保湿効果のあるブラッシングスプレーをしっかりと使ってあげることが大切です。さらにコーティング効果が被毛を守りブラッシング後も静電気を起こしにくくします。
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肉球や被毛がうすいパーツをしっかり保湿
肉球や鼻と皮膚の境目、お腹周りなど被毛が無い、または薄いところは乾燥しやすいため静電気が起こりやすく、痛みを感じやすい場所でもあります。化粧水やローションをこまめに塗布し、乾燥を防いであげてください。
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静電気を防ぐこと=犬をまもること
静電気の影響だけをみると、それほど大きなダメージではないと思うかもしれません。 けれども静電気がおきる気温と湿度が低い状態は、犬の健康にとっておすすめできない環境です。被毛のパサつきや、皮膚のかゆみやフケなどの原因となる乾燥。強く掻いてしまい引っ掻き傷から炎症を起こす犬もいます。とくに冬はエアコンで室内が乾燥しがち。室内の適切な湿度を保ち乾燥と静電気から犬を守ってあげましょう。
記事監修
「坂上どうぶつ王国」などTVでもおなじみの
福山 貴昭(ふくやま たかあき)先生
・認定動物看護師
・危機管理学修士
動物看護の視点からイヌの品種やケアについて研究。犬種図鑑の監修などを手がける。年齢に応じたケアから災害時におけるケア方法まで、ペットと共生するために必要な健康管理を含めたケアの重要性を研究している。著書に『明るい老犬生活 今日からできる頑張りすぎない12のこと』など。昨今はTVメディアで活躍。