
今からでも遅くない!春のムズムズ対策に取り入れたい4つのこと春の訪れとともに心も弾む季節ですが、花粉症の方にとっては少し憂鬱な時期でもありますね。くしゃみ、鼻水、目…
オメガ6というと、オメガ3に比較して摂ってはいけない脂質として扱われがちですが、実はオメガ6には重要な役割があります。
オメガ3がαリノレン酸→EPA→DHAと代謝酵素により変換していくように、オメガ6もリノール酸→γリノレン酸→アラキドン酸と変換されていきます。さらにアラキドン酸はまた新しい酵素を使って、エイコサノイドという局所ホルモン成分を私達は作り出しています。
アラキドン酸も大事な働きを持っていて、たとえば血液を凝固させる止血の作用があります。
さらにアラキドン酸は、生体調整ホルモンの一種プロスタグランジンの原料となり、プロスタグランジンは免疫機能を調整したり、コレステロール値を下げ、高血圧を防止する効果があります。
さらに脳の神経細胞の主要成分であるため、学習力や記憶力といった効果もあります。
しかし、私たちは日常的にオメガ6の脂質があふれる食事をとっているので、バランス的にどうしてもオメガ6が過剰になってしまいます。するとどういう問題がでてくるかというと、エイコサノイドが炎症因子となってしまうので、花粉症やアレルギーという問題が起きてきます。
アラキドン酸は様々な効果を持ちますが、摂りすぎてしまうことによってこれらの効果が全て逆に作用するという特異な性質を持っているのです。
ですからオメガ3をなるべく意識して摂り、それぞれの効果を高めておく必要があるわけです。
γリノレン酸は、世界的に注目されている脂肪酸で、特に女性ホルモンの影響による精神的不安やうつ、PMS、月経の痛みに対応する成分として、研究が進んでいます。
2021年に発表された北米更年期障害協会という医療団体が発表した、更年期閉経後の女性を対象にした研究データでは、
6カ月間γリノレン酸カプセルを摂取した女性の血圧が低下し、いわゆる更年期体型であるウエストとヒップの差がなくなる状況が改善したとあります。
実は女性ホルモン(エストロゲン)の原料はコレステロールです。なので、若いうちに過度に脂抜きダイエットをしてしまうと、エストロゲンが作れなくなってホルモンバランスが崩れたり、女性ホルモンが枯渇してくる更年期を迎える時期に、体内コレステロール不足でエストロゲンに変換できず、更年期症状がひどくなったり。やせ型の女性の方が、更年期が重いといわれるのはこういった理由からなのです。
そこに対するアプローチとして、γリノレン酸が有用であるという研究結果がでてきたので、いま更年期問題では注目の脂質になってきているのです。
γリノレン酸が入っているオイルというのは実はほとんどなく、少量ですがヘンプシードオイル、イブニングプリムローズオイル(月見草オイル)に含まれています。しかし、実は圧倒的に含有量が多いのが「ボラージオイル」です。
このボラージオイルはヨーロッパでは古くから「女性のためのオイル」といわれ、さらには戦いに疲弊した「戦士のオイル」ともいわれて、ココロと体が弱った状態を立ち上がらせる効能があると伝えられてきました。
さらに最新の研究で、更年期に有用であるという結果もでて、ますます注目の脂質であるボラージオイル。
「更年期のお守りオイル」として毎日摂っていきたい脂質の一つです。
ぜひ取り入れてみてください。
文:アンチエイジングフードマイスター・リーダー 唐澤佐千子