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コラム

⑥塾帰りの夜ごはん — 食欲・献立・食卓の空気感

⑥塾帰りの夜ごはん — 食欲・献立・食卓の空気感

塾から帰ってきたのに、なんだか食欲がなさそう。 夜遅くなってしまったけど、ちゃんと食べさせた方がいいのか。 何を用意してあげればいいのか分からない。

塾通いのお子さんを持つ保護者の方から、こんな声をよく聞きます。実はこの「食欲がない」という状態、子どもの意志の問題でも、必ずしも体調が悪いというわけでもありません。夜遅い帰宅や、長時間の集中による疲れが重なることで、「食べるモードになりにくいだけなのです。」


なぜ塾帰りの子どもは食欲がないのか

塾で集中して勉強しているとき、子どもの体は「交感神経優位」の状態にあります。帰宅してホッとすると、「副交感神経優位」に切り替わり、ようやく食欲が戻ってきます。

夜遅い時間帯は、体が休息に向かう準備を始めるため、消化の働きもゆっくりになります。そこに塾での緊張や疲労が加わると、食欲が自然と落ちやすくなるのです。

食欲がない子は急かさず少し落ち着かせてから食事にすると、消化への負担が少なくなります。一方で、食欲がある子は、帰宅後すぐ食べても問題ありませんが、腹八分目以下を意識すると体が楽です。


食卓は「回復の場」にする

食事中に避けたい話題
●模試の結果や点数の話
●「なんでこの問題が解けないの」という反省・指摘
●「もっと集中して勉強しなさい」という追い立て

これらは、せっかく副交感神経優位になりかけているところを、再び交感神経優位に引き戻してしまいます。消化が妨げられるだけでなく、子どものストレスも高まります。

食事中におすすめの会話
●「今日どんなことがあった?」という日常の話
●塾の先生や友達の話
●テレビや好きなものの話

何気ない雑談が、子どもの緊張をほぐし、腸の働きや幸せホルモン(セロトニン)の分泌につながります。食卓は「勉強の延長」ではなく、心と体を整える「回復の場」として過ごすことが、受験期を乗り越えるための大切な工夫です。

夜ごはんの2パターン

パターン①「下校後に補食 → 塾 → 帰宅後に夕食」

おすすめの夕食献立例:
●ごはん+具だくさん味噌汁+主菜(肉・魚・卵料理など)
●親子丼・肉豆腐丼・中華丼などの具だくさん丼もの(ごはんは多すぎない)
→和食ベースが消化にやさしくおすすめ

パターン②「お弁当持参で塾 → 帰宅後に軽めの補食」

おすすめの補食例:
●温かい味噌汁(具だくさんなら栄養補給にも)
●少量のおにぎり(鮭・ツナなど、たんぱく質が入るもの)
●ゆで卵
●ヨーグルト
●はちみつを少し加えた温かい飲みもの

「何を食べるか」と同じくらい「どう食べるか」が大切

夜ごはんは、一日頑張った子どもがほっとできる時間です。栄養を補給する場であると同時に、心を回復させる場でもあります。
「今日どんなことがあった?」そのひとことが、子どもの心と腸を同時に整えてくれます。


親子で意識したいおすすめポイント!
今夜の食卓で、勉強・点数・模試の話をしないことを試してみましょう。
「今日どんなことがあった?」そのひとことだけで、子どもの表情がふっとほぐれます。
リラックスした食卓が、明日の集中力をつくります。


この記事を書いた人

井上 智美
管理栄養士・分子栄養学アドバイザー

受講者のべ1万人以上。栄養学・分子栄養学の知見をもとに、成長期の子どもの食と集中力について伝えています。「毎日の食卓が、わが子の力を引き出す」をテーマに、ご家庭で実践できるノウハウをお届けします。

「元受験生パパ」コラム

(4)食卓は安心できる場所にする
受験期の子どもにとって、食事の時間は心を休める大切なひとときです。勉強や成績の話を離れ、家族で気軽に会話できる「安心できる食卓」を作りましょう。