夏場の水分補給は「ペットボトル症候群」に注意！

ペットボトル症候群とは、糖分を多く含む清涼飲料水（ジュース、スポーツドリンク、炭酸飲料など）を短期間に大量に摂取することで血糖値が急上昇し、インスリン分泌が間に合わずに起こる急性の代謝異常です。

正式には「清涼飲料水ケトーシス」と呼ばれ、大人だけではなく、子どもも、糖尿病の診断がない人でも発症する可能性があります。
のどの渇き・多尿・倦怠感、酷くなると意識障害や昏睡状態になることも。

そのジュース、だいじょうぶですか？

世界保健機関（WHO）では2016年に「成人及び児童の糖類摂取量」1日25g（ティースプーン6杯分）程度に抑えること、米国心臓協会（AHA）でも同じく2016年に小児は1日の糖類摂取量を25ｇ以下に抑えることとしています。

夏場はとくに熱中症予防のため、常時水分摂取が推奨されていますが、気が付かずに大量に糖分を摂取してしまっている危険があります。これは大人も子どもも一緒です。特に子どもはスポーツドリンクや100％果汁のジュースペットボトル一本で一日の摂取量を超えてしまいます！

ブドウ糖果糖液糖は本当に危ない

殆どの 清涼飲料水、加工食品、菓子などに広く使用されている糖分は、「ブドウ糖果糖液糖」。ブドウ糖果糖液糖とはトウモロコシなどのデンプンから作られる液体状の甘味料で、果糖とブドウ糖を約1:1で含んでいます。そのため砂糖に比べてブドウ糖果糖液糖は体内での吸収が早く、消化酵素による分解をせず、小腸から直接吸収され、血液中に入り、血糖値を即座に上昇させます。
そのため以下のような健康リスクがあります。

・インスリンスパイク：急激な血糖値上昇によりインスリンが過剰分泌され、血糖値の乱高下を招きます。
・糖尿病・脂肪肝のリスク：果糖の過剰摂取は中性脂肪の蓄積を促進し、糖尿病や脂質異常症のリスクを高めます。
・糖化（AGEs）促進：果糖はブドウ糖の10倍以上の糖化リスクがあるとされ、老化や血管障害にも関与します。
・肥満のリスク：満腹感を得にくく、過食を招きやすく、肥満の原因に。

子どもの肥満とメンタルへの影響

ブドウ糖果糖液糖（異性化糖）を過剰に摂取することは、子どもの肥満問題と共に、子どものメンタル面にも悪影響を及ぼす可能性があります。
特に思春期の摂取量が多いと、脳の発達や精神疾患リスクに関係することが研究＊で示されています。

清涼飲料やお菓子、ジャンクフードには必ずはいっているといっても過言ではないブドウ糖果糖液糖の過剰摂取は、子どもの肥満の原因だけではなく、統合失調症や双極性障害をはじめ、落ち着きがなくなる、イライラしやすくなり、キレやすくなるなどのメンタルにも影響してしまうのです。

＊High-sucrose diets contribute to brain angiopathy with impaired glucose uptake and psychosis-related higher brain dysfunctions in mice

まとめ

・子どもの飲料やおやつの糖分表示をチェックすること
・甘味は果物や自然な甘味料（甜菜糖や蜂蜜など）に置き換えること
・食事と生活習慣で血糖値の安定を意識すること

これらに気をつけることが非常に大切です。
いきなりすべて実行することは大変なので、糖分の質を意識して、安心なものに置き換えることから、ぜひ始めてみてください。

だいじょうぶなものは大人も子どもも安心して食べられる糖分にこだわっています