
世界で進む甘味料の見直し―いま考えたい糖質との向き合い方―甘さの正体を意識したことはありますか? 甘い飲み物やお菓子、調味料など、私たちは日常的に「甘さ」を口にし…


甘い飲み物やお菓子、調味料など、私たちは日常的に「甘さ」を口にしています。
しかし、その甘さの正体が何なのかを意識する機会は、意外と少ないかもしれません。
食品表示をよく見ると「砂糖」だけでなく、ブドウ糖果糖液糖や果糖ブドウ糖液糖といった表示を目にすることがあります。これらは現在、多くの加工食品に使われている甘味料です。

ブドウ糖果糖液糖や果糖ブドウ糖液糖は、トウモロコシなどのでんぷんから作られる甘味料です。
・ブドウ糖が多いもの→ブドウ糖果糖液糖
・果糖が多いもの→果糖ブドウ糖液糖
液体で扱いやすく、甘味の強さも砂糖とほぼ同じであるため、さまざまな食品に使われています。
例えば
・清涼飲料水
・炭酸飲料
・スポーツドリンク
・アイスクリーム
・ゼリーやグミ
・菓子パン
・ドレッシングや調味料
特に飲料は、知らないうちに摂取量が増えやすい特徴があります。

ブドウ糖果糖液糖が問題視される理由の1つは、摂取量が増えやすいことです。
甘い飲み物は口当たりがよく飲みやすいため、気づかないうちに摂取量が増えてしまいます。また、糖分を多く含む飲料は喉の渇きを感じやすく、繰り返し飲んでしまうこともあります。その結果、知らないうちに糖質の摂取量が増えてしまうことにつながります。
実際にアメリカでは、子どもの健康への影響を背景に、添加糖の摂取量について目安が示されています。
現在アメリカでは、
・添加糖は総摂取カロリーの10%未満
・砂糖入り飲料はできるだけ控える
※例:1日2,000kcalの場合 →砂糖約50gまで
(500mlの炭酸飲料で約50g前後)
さらに、糖質を多く含む飲料は吸収が早く、血糖値を急激に上昇させやすい特徴があります。この急激な血糖値の変化(血糖値スパイク)は、眠気や集中力の低下につながることがあります。また、この状態が繰り返されることで、インスリン分泌に負担がかかり、将来的な糖代謝の乱れや生活習慣病のリスクにつながる可能性も指摘されています。

近年、世界では食と健康の関係を見直す動きが広がっています。
その中で、注目されているのが、「糖質との向き合い方」です。
同じ甘味料であっても、国や地域によってその扱い方や考え方には違いがあります。
・アメリカでは「添加糖」として表示され、摂取量の目安が示されています。
・EUでは砂糖入り飲料への課税など、糖質全体の摂取を抑える政策が進んでいます。
・日本では糖質全体の摂取に対する仕組みはまだ多くありません。
このように世界では、特定の甘味料を避けるというよりも、糖質の摂りすぎをどう防ぐかという視点が重視されています。
同じ甘さでも、その中身や摂り方によって体への影響は変わります。
まとめ
日々の小さな気づきが、これからの「糖質との向き合い方」を変えていきます。
毎日の食事の中で、自分に合った選び方を見つけてみてはいかがでしょうか。
管理栄養士・オーソモレキュラーアカデミー 分子栄養学アドバイザー 井上智美