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諦めない執念が実を結んだ、マヌカハニー+カモミールスプレー特許取得ストーリー
お子様や妊娠中の方を始め、多くの方に愛用いただいているオーガニックケアブランド『made of Organics』の『マヌカハニー+カモミールスプレー 』シリーズ。天然由来100%、有機JAS認証取得、希少性の高いタスマニア島のマヌカハニーやレザーウッドハニーを使用するなどこだわりが詰まったこのスプレーが、2021年にヨウ素を使わないのどスプレーとして特許を取得しました。
たかくら新産業としては、初めて特許を出願した思い入れのある商品でもあります。出願日から514日、準備を含めると2年半にも及ぶ取得までの舞台裏を、代表の高倉と特許担当の森に振り返ってもらいました。
そうだ、特許を取ってみよう
━━特許を取ろうと思ったきっかけはなんだったんですか?
高倉:たかくら新産業は6つの約束で掲げているようにエビデンスを大切にしていて、お客様に商品の効果やこだわりを感じていただきやすい伝え方を常に模索しています。そんな中ふと、特許はどうだろうと思ったんです。特許を取ることができれば、効果があるものだと感じていただく一つのきっかけになるかもしれない。ただ、特許を申請した経験はなかったので、どれくらい大変なのかは未知の状態でした。そこで、森さんに相談したんです。
━━森さんは特許に詳しいのですか?
森:いえ、全然そんなことないですよ。法律の専門家でもありません。だから特許に詳しい法律事務所を探して一緒に取り組みました。
高倉:森さんはリサーチ力がすごいんですよ。「こんなのないかなあ」と相談すると、探して見つけてきてくれるんです。
━━そうなんですね。特許の話があったときはどう感じましたか?
森:成分特許は取れるかもしれないけれど、このスプレーはあくまで食品のため難易度は高いと思いました。製造特許という製法に対する特許もあるんですけど、特殊な製法で調合しているわけでもないので、仮にその線で申請するとしても相当ハードルが高いだろうなと。
高倉:そもそも特許に種類があることもちゃんと知らない状態でしたからね。たかくら新産業の商品は“日本初”のものが多いので、特許も取れるのではと考えていましたが、「初」のものがなんでも取れるわけではなかったんですよね。無事取得できるまでは本当にめちゃくちゃ大変でした。
いざ申請開始。最大の障壁はまさかの自社製品
━━特許の申請は具体的にどんなことをするんですか?
森:私たちは成分特許の取得を目指したので、成分の情報をすべて開示して法律事務所の方に見ていただき、どのポイントなら取れそうか何度も打ち合わせをしました。申請後は最低でも1〜2回は不認可として戻ってくるので、理由をきちんと分析し追加のエビデンスを揃えて再申請します。この戻しのやりとりがすごく苦労しましたね…。
高倉:何回もやりとりしたよね。もう無理かなあと諦めそうになるくらい、時間がかかりました。特許庁からの戻しに明快な理由が書いていないこともあるんですよ。だから「これがだめだったのかなあ」「今度はこれでいってみましょうか」といった手探り状態でした。
森:たかくら新産業としてはマヌカハニー+カモミールスプレーで初めて特許に挑戦しましたが、申請後何回も返されたので、結局後から申請した『ホワイトニングトゥースペースト』の方が先に取れてしまったんですよね。
━━例えばどんな戻しがくるんですか?
森:「この成分は既存の商品にあります」といった内容ですね。すでに世の中にあるものと、私たちが出すものにどれだけ差があるのか。その新規性や優位性を証明できないと、特許庁は認可してくれません。
高倉:びっくりしたのがその「既存の商品」が、自分たちの商品だったんです。「マヌカハニー+カモミールスプレー(旧名:マヌカハニー+アズレンスプレー)」は2016年に発売し、2019年と2020年にリニューアルをしています。特許はリニューアルした商品で出していたのですが、すでに販売してしまっていたために、「おたく、もう出していますよね」と言われてしまって。
森:特許庁からは「世の中に出ているものを若干アレンジした程度では、特許は認められない」と明確に言われたんです。最初から取っておけばよかったとは思いましたけど、後の祭り。他社の製品で認可が難しいならまだしも、自分たちの製品でダメと言われるとは思ってもいませんでした。
━━なんと。リニューアルしたとはいえ、同じ商品でも別物とみなされるんですね。
高倉:世に出ている時点で「公然の事実」なので、新規性がないという判断なんですよね。僕らからすると「同じ会社の商品ですよ」と思うんですけど、特許庁からすると「あなたの会社の商品かもしれないけれど、世の中の人はすでに知っているんだから、ダメですよ」と。言われてみればその通りなんですけど、なんか納得がいかないなと(笑)。
ついに特許認可
━━最終的にどうやって認められたんですか?
森:地道に成分一つひとつを細かく調べていったんです。すると、リニューアル前の商品よりもすごく優位性のあるエビデンスが見つかったので、その優位性を示す資料をきちっと揃えて再申請したところようやく認められました。
高倉:リニューアル後の商品は、あるエビデンスデータを第三者機関に依頼して取得できていたんです。最初に発売したスプレーはそのデータは取っていなかったので、そこで一つ優位性が認められそうだと。リニューアルで原料を新しくしたことと合わせて、総合的によくなったことを示したんです。
━━「ヨウ素を使わないのどスプレー」として認められていますが、ヨウ素を使っていないことがポイントだったんですか?
森:世の中にヨウ素を使っていないものがなかったので、それが新規性として認められたんです。
高倉:ヨウ素が入っていないにも関わらず、僕たちの商品はエビデンスが取れていたので、「ヨウ素を使わないのどスプレー」として認可されたんだと思います。
━━開発時点でヨウ素を使わないことが新しいという認識はあったんですか?
高倉:そもそもヨウ素を入れるなんて発想は最初からありませんでした。抗菌力や殺菌力のある天然のものはなんだろうと原料をたくさんリサーチして、レザーウッドハニーやマヌカハニーを選んでいるので。ヨウ素を強く意識していたわけではなかったんです。
━━ヨウ素が入っていないことで取れたことに対しては、どう思いましたか?
高倉:今回特許申請をやってみて、自分たちが思うような特許が取れるかどうかはさじ加減だなと感じました。いい悪いではなく、僕たちが考える新規性と、法律家や特許庁の方が考える新規性は違うんですよね。だから認可理由については、特にこだわっていません。もともと商品のよさを伝えるための手段として取りたかったので、特許が取れたこと自体がとても嬉しかったですね。
森:特許名では明示的に「ヨウ素」と書かれていますが、きちんと研究機関と連携してデータを提示したことも認可の理由の一つだと思うんです。こうした一連の取り組みが認められたことは、とてもよかったです。
「社長、もう無理です」と諦めなかった理由
━━取得するのは大変だったと思いますが、心が折れそうになったことはなかったんですか?
森:それはもう何度もありました。何といっても不許可が合計3回ありましたから。3回目の戻しがきたときには、法律事務所の方からも「正直もう難しいですね。これ以上は無理だと思います」と言われたんです。でも私たちは諦めませんでした。どうしても取りたいという、執念でしょうね。法律事務所の方もそこまで言うんだったらと、最後まで付き合ってくれました。法律事務所は基本的に手数料で運営しているので、特許取得まで2年半もかかってしまい全然割りに合わない仕事だったと思うんですよね。
高倉:難しいかもと言われても、いやなんとかなるだろうと常に話していました。そもそも僕たちの商品が弊害となって取れないだなんて、悲しすぎるじゃないですか(笑)。根本的にダメと言われたなら諦めもつくかもしれないけれど、そうじゃないならなんとかしたいよねと。それで法律事務所の方とも話して、もう一回チャレンジしましょうと再挑戦したら、なんとかなったんですよね。
森さんは僕の無茶振りに対していつも応えてくれるんですけど、難しいとか無理とかいう発想を持っていないんですよ。特許なんてどうやって取るのか想像もつかないけれど、おもしろいからやってみましょうと言ってくれる。森さんのように具現化してくれるメンバーがいるから、形になっています。実現してくれる人がいないと、僕はただわけのわからないことを言っているだけの人ですからね。
━━森さんはどうして無茶振りに対して、おもしろがることができるんですか?
森:特許の件に限らず、常にプラス思考でいたいと自分に言い聞かせているんです。仮に「あと1年しか生きられません」と医者に宣告されたとしても、「まだ1年あるんだ」と考えるか「1年しかないんだ」と考えるかと言われたら、私はできるだけまだ1年あるんだと思いたい。「365日をなんとか楽しく過ごそう」というタイプなので、突拍子もないことであっても嫌ではないんですよね。
特許の話もできないかもしれないけど、やってみたいと思いました。法律事務所のことは全然知りませんでしたけど、片っ端から探して20件ほど自分で足も運んでいい事務所と出会えて。最初に事務所の社長さんと会ったんですが、人間的にもとてもいい方で、この方がいたから2年半も続けることができたんだと思います。ご縁にも恵まれました。
━━「できると思い続けたらできる」と開発チームのメンバーが話していましたが、近しい考えですね。
森:そうですね。普通に考えたら誰もできそうにないことを、「絶対できるんだ」と毎日言い聞かせていると、いつか実現するというのはありますね。
高倉:僕はずっとできると言い続けてるんですけど、たかくら新産業には「できるはずだ」と思う社風があって。もちろんできないこともあるんですけど、大抵のことはできると思っています。本当にできないことなんて、自分たちの発想が思い浮かぶ範囲で言ったら、そんなにないですよね。できないと思う思考、無理という思考が自分の体をストップさせるし、できると思えば実現する方法を考えようとするので、実現につながる。今までもやってて、できなかったことってあんまりないよね?
森:あんまりないですね。時間はそれだけかかりますけど、大抵のことはできています。これからも目の前のことをおもしろがって、いろんなことを実現していきたいですね。
聞き手・構成・執筆:中楯知宏