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キンセンカの名前で知られるキク科の植物。ほとんどどんな土壌でも育ちますが、日当たりのよい場所でよく生育し、夏季に黄色や橙色の花を咲かせます。
花びらから採取するエッセンシャルオイル(精油)は非常に高価で、また粘性が高くて使いにくいため、オリーブオイルなどの植物油に花を浸けて作る「浸出オイル」や水溶性の有効成分を採取した「エキス」、エタノールに浸けて作る「チンキ」などの形で使われるのが一般的です。
痛みや腫れ、かゆみなどをすばやく和らげてくれ、さまざまな軽症の応急処置に役立つため、ヨーロッパでは、古くから外用の万能薬として利用されてきました。
健康な細胞が再生するのを助けるフラボノイド類やカロテノイド類、損傷を受けた皮膚や粘膜の修復を助けてくれるカロチンやサポニン、殺菌・抗菌作用、収れん作用をもつタンニンやカレンデュリンほか、多種の薬効成分を含んでおり、外用では多岐にわたるスキンケアに、内服では消化管や泌尿器の炎症、潰瘍の処置などに有効です。
皮膚の細胞の再生促進作用や炎症を抑える効果があるため、皮膚炎、湿疹、おむつかぶれ、乳首や会陰の傷、日焼け、軽度のやけどやすり傷などに、浸出オイルやエキスの入ったクリーム、軟膏を塗布して使います。リップクリやームハンドクリームなどの商品に配合されることも多く、スキンケアの有効成分として人気があります。
肌を引き締める収れん作用があるので、化粧品やシャンプー剤などのヘアケア製品に配合されることもあります。また、結膜炎の症状の軽減や洗眼などのアイケアとしても有効です。
そのほか、腸など消化器の炎症を抑える効果があると言われており、成分を経口で摂取できるサプリメントやハーブティーにも用いられます。浸出オイルをマッサージに使う場合は、他のキャリアオイルにブレンドするのが一般的です。
人間同様、塗布して皮膚の菌感染症や傷癒に使ったり、ハーブサプリメントとして経口摂取したりします。犬は細菌・真菌性の皮膚疾患も多いため、利用しやすい植物であると言えます。
子ども、妊婦、授乳中、高齢者、敏感肌の方、重疾患をお持ちの方、動物(とくに猫)へのエッセンシャルオイルの使用は、注意が必要な場合があります。専門書や専門家、医師のアドバイスを参考にしてください。
・ナナコーポレート・コミュニケーション「ペットのためのハーブ大百科」
・日本ヴォーグ社 クリッシー・ワイルドウッド「アロマセラピー百科事典」