調査結果

ペット用ニーム・シトロネラ液剤のヒトスジシマカ忌避効果(虫よけ)試験

ペット用ニーム・シトロネラ液剤のヒトスジシマカ忌避効果(虫よけ)試験

デング熱やジカ熱を媒介するといわれている、ヒトスジシマカに対し、防虫作用で知られる精油ニームやシトロネラの忌避効果について調査をおこないました。

ニームの効能

ニームに含まれるアザジラクチンを始めとする複数の成分に虫を忌避する効果があります。日本でも園芸用の天然防虫剤として市販されています。約200種類の害虫に効果が認められており、人や動物、作物などにも無害で、安心・安全に使うことができるので、有機農業にも適しています。

犬への利用としては忌避効果(虫よけ)を利用した虫よけスプレーなどに使われます。また、小さな傷や皮膚疾患などの症状を軽減するのにも有効です。

また人への利用としては、傷の治癒やニキビ、やけど、湿疹などあらゆる皮膚疾患に対し、外用、内服などで使われます。そのほか、解熱、鎮痛、整腸などにも効果があるとされています。

シトロネラの効能

シトロネラの一般的に知られている効能は、犬への利用としては防虫効果があるので、シャンプー剤、ノミよけ首輪、蚊よけスプレーとして使用されます。

また人への利用は、スプレーやキャンドル、芳香剤などにして虫よけとして利用されます。局所鎮痛作用があり、筋肉痛、肩こり、頭痛、神経痛などのつらい症状の緩和にも有効です。皮膚弾力の回復や収斂作用もあり、スキンケアにも有効とされています。また、気持ちが落ち込んでいるときに心を明るく、高揚させてくれます。

試験目的

弊社でブレンドしたニーム・シトロネラ液剤のヒトスジシマカ雌成虫に対する忌避効果を調査する。

試験材料および試験方法

1.供試検体 

ニーム・シトロネラ液剤

2.供試虫 

ヒトスジシマカ雌成虫 Aedes albopictus
羽化3~6日後/住化テクノサービス株式会社累代飼育系統

3.区制

1区約180 頭、4 反復

4.試験方法

1.供試検体の所定量を、ディスポーサブル手袋を着用した手の表裏に約1g処理(噴霧あるいは塗布)し、約5分間風乾した。

2.供試虫約180 頭を放飼したナイロンゴースネットケージ(30cm×30cm×30cm)内に、処理済みの手袋を着用した手を入れ、試験を開始した。

3.0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5 分後に、手に静止した供試虫の成虫数をカウントした。

4.対照として、無処理の手袋を着用して、同様の試験を実施した。

5.次式により、忌避率を算出した。
忌避率(%)=100×(1-検体処理区静止雌成虫の合計/無処理区静止雌成虫の合計)

5.試験結果

6.考察

ニーム・シトロネラ液剤のヒトスジシマカ雌成虫に対する忌避効果を調査した結果、4反復の平均忌避率は、95%であり、高い忌避効果であると思われる。

試験について

・試験機関 : 住化テクノサービス株式会社 応用生物部 ライフサイエンスチーム
・試験場所 : 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学株式会社健康・農業関連事業研究所内
・試験期間 : 2013 年4 月24 日